百人一首ってどんな句があるの?アニメ「ちはやふる」で流行ったのは知っているけど、聞いたことがない!学校の授業で百人一首がでてきたので、気になったので調べてみたい・・・。
そんなあなたのための百人一首一覧!
この百人一首一覧は、歌番号順に並んでいるので、一気に眺められるし、聞いたことがあるキーワードを入れて、対象の句だけを調べることもできます。
また、歌人も並べているので、歌+歌人を知ることでさらに歴史にも興味を持つことができます。
百人一首が初めてという方はまず漫画やアニメで学んでみると入りやすいかもしれません。
あなたの目的に合わせて活用してみてくださいね!
歌番号 | 歌/読み | 作者/読み |
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1 | 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ | 天智天皇 てんじてんのう |
2 | 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山 はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかぐやま | 持統天皇 じとうてんのう |
3 | あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む あしひきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ | 柿本人麿 かきのもとのひとまろ |
4 | 田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ | 山部赤人 やまべのあかひと |
5 | 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋はかなしき おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こえきくときぞ あきはかなしき | 猿丸大夫 さるまるだゆう |
6 | 鵲の 渡せる橋に おく霜の しろきを見れば 夜ぞ更けにける かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける | 中納言家持 ちゅうなごんやかもち |
7 | 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも | 安倍仲麿 あべのなかまろ |
8 | わが庵は 都の辰巳 しかぞ住む 世をうぢ山と ひとはいふなり わがいほは みやこのたつみ しかそすむ よをうちやまと ひとはいふなり | 喜撰法師 きせんほうし |
9 | 花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに | 小野小町 おののこまち |
10 | これやこの 行くも帰るも 別れては しるもしらぬも あふ坂の関 これやこの ゆくもかえるも わかれては しるもしらぬも あふさかのせき | 蝉丸 せみまる |
11 | わたの原 八十島かけて こぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟 わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね | 参議篁 さんぎたかむら |
12 | 天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ | 僧正遍昭 そうじょうへんじょう |
13 | 筑波嶺の 峰より落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる つくばねの みねよりおつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる | 陽成院 ようぜいいん |
14 | 陸奥の しのぶもぢずり たれ故に 乱れそめにし われならなくに みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに | 河原左大臣 かわらのさだいじん |
15 | 君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ | 光孝天皇 こうこうてんのう |
16 | たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとしきかば 今帰り来む たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ | 中納言行平 ちゅうなごんゆきひら |
17 | ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは | 在原業平朝臣 ありわらのなりひらのあそん |
18 | 住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通路 人目よくらむ すみのえの きしによるなみ よるさへや ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ | 藤原敏行朝臣 ふじわらのとしゆきのあそん |
19 | 難波潟 みじかき蘆の 節の間も あはでこの世を すぐしてよとや なにはがた みじかきあしの ふしのまも あはでこのよを すぐしてよとや | 伊勢 いせ |
20 | わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ | 元良親王 もとよししんのう |
21 | 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな | 素性法師 そせいほうし |
22 | 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ ふくからに あきのくさきの しをるれば むべやまかぜを あらしといふらむ | 文屋康秀 ふんやのやすひで |
23 | 月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど | 大江千里 おおえのちさと |
24 | このたびは 幣も取りあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに このたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみぢのにしき かみのまにまに | 菅家 かんけ |
25 | 名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで 来るよしもかな なにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもかな | 三条右大臣 さんじょうのうだいじん |
26 | 小倉山 峰のもみぢ葉 こころあらば 今ひとたびの みゆき待たなむ をぐらやま みねのもみぢば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ | 貞信公 ていしんこう |
27 | みかの原 わきて流るる いづみ川 いつみきとてか 恋しかるらむ みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ | 中納言兼輔 ちゅうなごんかねすけ |
28 | 山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば | 源宗于朝臣 みなもとのむねゆきのあそん |
29 | 心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花 こころあてに おらばやおらむ はつしもの おきまどはせる しらきくのはな | 凡河内躬恒 おおしこうちのみつね |
30 | 有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし | 壬生忠岑 みぶのただみね |
31 | 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪 あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき | 坂上是則 さかのうえのこれのり |
32 | 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり やまがはに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり | 春道列樹 はるみちのつらき |
33 | ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ | 紀 友則 きのとものり |
34 | 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしの ともならなくに | 藤原興風 ふじわらのおきかぜ |
35 | 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける | 紀 貫之 きのつらゆき |
36 | 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいずこに 月宿るらむ なつのよは まだよひながら あけぬるを くものいづこに つきやどるらむ | 清原深養父 きよはらのふかやぶ |
37 | 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける | 文屋朝康 ふんやのあさやす |
38 | 忘らるる 身をば思はず ちかひてし 人の命の 惜しくもあるかな わすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな | 右近 うこん |
39 | 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき あさぢふの をののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひしき | 参議等 さんぎひとし |
40 | しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで | 平兼盛 たいらのかねもり |
41 | 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか こひすてふ わがなはまがき たちにけり ひとしれずこそ おもひそめしか | 壬生忠見 みぶのただみ |
42 | 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑのまつやま なみこさじとは | 清原元輔 きよはらのもとすけ |
43 | 逢ひみての 後のこころに くらぶれば 昔は物を 思はざりけり あひみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもはざりけり | 権中納言敦忠 ごんちゅうなごんあつただ |
44 | 逢ふことの たえてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし あふことの たえてしなくは なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし | 中納言朝忠 ちゅうなごんあさただ |
45 | あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな あはれとも いふべきひとは おもほえで みのいたづらに なりぬべきかな | 謙徳公 けんとくこう |
46 | 由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え 行方へも知らぬ 恋のみちかな ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえ ゆくへもしらぬ こひのみちかな | 曾禰好忠 そねのよしただ |
47 | 八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり やへむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり | 恵慶法師 えぎょうほうし |
48 | 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものを おもふころかな | 源 重之 みなもとのしげゆき |
49 | 御垣守 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ ものをこそ思へ みかきもり ゑじのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもへ | 大中臣能宣朝臣 おおなかとみのよしのぶのあそん |
50 | 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな きみがため おしからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな | 藤原義孝 ふじわらのよしたか |
51 | かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひを | 藤原実方朝臣 ふじわらのさねかたのあそん |
52 | 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな あけぬれば くるるものとは しりながら なほうらめしき あさぼらけかな | 藤原道信朝臣 ふじわらのみちのぶのあそん |
53 | なげきつつ ひとり寝る夜の 明くるまは いかに久しき ものとかは知る なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる | 右大将道綱母 うだいしょうみちつなのはは |
54 | わすれじの 行く末までは かたければ 今日をかぎりの 命ともがな わすれじの ゆくすゑまでは かたければ けふをかぎりの いのちともがな | 儀同三司母 ぎどうさんしのはは |
55 | 滝の音は たえて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほきこえけれ | 大納言公任 だいなごんきんとう |
56 | あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの あふこともがな あらざらむ このよのほかの おもひでに いまひとたびの あふこともがな | 和泉式部 いずみしきぶ |
57 | めぐりあひて 見しやそれとも 分かぬまに 雲がくれにし 夜半の月影 めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よはのつきかげ | 紫式部 むらさきしきぶ |
58 | 有馬山 猪名のささ原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする ありまやま ゐなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする | 大弐三位 だいにのさんみ |
59 | やすらはで 寝なましものを さ夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな やすらはで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな | 赤染衛門 あかぞめえもん |
60 | 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 おほえやま いくののみちの とほければ まだふみもみず あまのはしだて | 小式部内侍 こしきぶのないし |
61 | いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな いにしへの ならのみやこの やへざくら けふここのへに にほひぬるかな | 伊勢大輔 いせのたいふ |
62 | 夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふさかの せきはゆるさじ | 清少納言 せいしょうなごん |
63 | 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな いまはただ おもひたえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな | 左京大夫道雅 さきょうのだいぶみちまさ |
64 | 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木 あさぼらけ うぢのかはきり たえだえに あらはれわたる せぜのあじろぎ | 権中納言定頼 ごんちゅうなごんさだより |
65 | 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそ惜しけれ うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひにくちなむ なこそをしけれ | 相模 さがみ |
66 | もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし もろともに あはれとおもへ やまざくら はなよりほかに しるひともなし | 前大僧正行尊 さきのだいそうじょうぎょうそん |
67 | 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそをしけれ | 周防内侍 すおうのないし |
68 | 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな こころにも あらでうきよに ながらへば こひしかるべき よはのつきかな | 三条院 さんじょういん |
69 | 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり あらしふく みむろのやまの もみぢばは たつたのかはの にしきなりけり | 能因法師 のういんほうし |
70 | さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮 さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづくもおなじ あきのゆふぐれ | 良暹法師 りょうぜんほうし |
71 | 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろ屋に 秋風ぞ吹く ゆうされば かどたのいなば おとづれて あしのまろやに あきかぜぞふく | 大納言経信 だいなごんつねのぶ |
72 | 音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ | 祐子内親王家紀伊 ゆうしないしんのうけのきい |
73 | 高砂の 尾上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ たかさごの をのへのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ | 前権中納言匡房 さきのごんちゅうなごんまさふさ |
74 | 憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いのらぬものを | 源俊頼朝臣 みなもとのとしよりのあそん |
75 | 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あはれことしの あきもいぬめり | 藤原基俊 ふじわらのもととし |
76 | わたの原 漕ぎ出てて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波 わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐにまがふ おきつしらなみ | 法性寺入道前関白太政大臣 ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん |
77 | 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ せをはやみ いわにせかるる たきがはの われてもすゑに あはむとぞおもふ | 崇徳院 すとくいん |
78 | 淡路島 通ふ千鳥の なく声に 幾夜寝ざめぬ 須磨の関守 あはぢしま かよふちどりの なくこゑに いくよねざめぬ すまのせきもり | 源兼昌 みなもとのかねまさ |
79 | 秋風に たなびく雲の 絶えまより もれ出づる月の 影のさやけさ あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ | 左京大夫顕輔 さきょうのだいぶあきすけ |
80 | 長からむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は ものをこそ思へ ながからむ こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもへ | 待賢門院堀河 たいけんもんいんのほりかわ |
81 | ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる | 後徳大寺左大臣 ごとくだいじのさだいじん |
82 | 思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり おもひわび さてもいのちは あるものを うきにたへぬは なみだなりけり | 道因法師 どういんほうし |
83 | 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる よのなかよ みちこそなけれ おもひいる やまのおくにも しかぞなくなる | 皇太后宮大夫俊成 こうたいごうぐうのだいぶとしなり |
84 | 長らへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ いまは恋しき ながらへば またこのごろや しのばれむ うしとみしよぞ いまはこひしき | 藤原清輔朝臣 ふじわらのきよすけのあそん |
85 | 夜もすがら もの思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり よもすがら ものおもふころは あけやらで ねやのひまさへ つれなかりけり | 俊恵法師 しゅんえほうし |
86 | 嘆けとて 月やはものを 思はする かこちがほなる わが涙かな なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな | 西行法師 さいぎょうほうし |
87 | 村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮 むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふぐれ | 寂蓮法師 じゃくれんほうし |
88 | 難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ 身を尽くしてや 恋ひわたるべき なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや こひわたるべき | 皇嘉門院別当 こうかもんいんのべっとう |
89 | 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする たまのをよ たえなばたえね ながらへば しのぶることの よわりもぞする | 式子内親王 しょくしないしんのう |
90 | 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず みせばやな をしまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかはらず | 殷富門院大輔 いんぷもんいんのたいふ |
91 | きりぎりす 鳴くや霜夜の さ筵に 衣片敷き ひとりかも寝む きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ | 後京極摂政前太政大臣 ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん |
92 | わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾くまもなし わがそでは しほひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし | 二条院讃岐 にじょういんのさぬき |
93 | 世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのをぶねの つなでかなしも | 鎌倉右大臣 かまくらのうだいじん |
94 | み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり | 参議雅経 さんぎまさつね |
95 | おほけなく 憂き世の民に おほふかな わが立つ杣に すみ染めの袖 おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに すみぞめのそで | 前大僧正慈円 さきのだいそうじょうじえん |
96 | 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり はなさそふ あらしのにはの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり | 入道前太政大臣 にゅうどうさきのだいじょうだいじん |
97 | 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに やくやもしほの みもこがれつつ | 権中納言定家 ごんちゅうなごんさだいえ |
98 | 風そよぐ ならの小川の 夕暮は みそぎぞ夏の しるしなりける かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれは みそぎぞなつの しるしなりける | 従二位家隆 じゅにいいえたか |
99 | 人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は ひともをし ひともうらめし あぢきなく よをおもふゆゑに ものおもふみは | 後鳥羽院 ごとばいん |
100 | ももしきや 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほあまりある むかしなりけり | 順徳院 じゅんとくいん |