どんな災いや悪いことでも幸せのもとになるかもしれなし、どんな幸せなことも不幸の原因になるかもしれないという意味のことわざは「塞翁が馬」です。
塞翁(さいおう)が馬
意味
どんな災いも幸せのもとになるかもしれないし、どんな幸せも災いのもとになるかもしれない。人が生きていくうえで、何が幸せを招き、何が不幸を招くかは分からないということ。
解説
塞翁(さいおう)は、とりでのおじいさん。このおじいさんは占いができて、先のことを見通すことができた。
このおじいさんの馬が逃げてしまった時に周りの人たちが慰めたが、おじいさんはいいことが起こると占う。
おじいさんの占い通り、その馬が素晴らしい馬を連れて帰ってきた。それを周りの人は幸せだといっていたがおじいさんは今度はこれによって不幸になると占う。
その後その馬から生まれた子馬を乗り回したおじいさんの息子が落馬して怪我をした。それを見て周りの人は気の毒に思ったが、今度はこれによって幸せがあると占う。
その後、砦で戦争が起こり、若者が招集されたが、おじいさんの息子は落馬による怪我で参戦せずに命を落とさなかった。・・・という中国の古い物語が出典と言われている。
正しい使い方と間違った使い方の事例
正しい使い方:
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逆境から好転への希望:
- 「今、困難な状況にあるけれども、人間万事塞翁が馬、未来には良いこともあるかもしれない。」
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予測が難しいことへの警告:
- 「計画が順調に進むとは限らない。人間万事塞翁が馬、何が起こるかは予測できない。」
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幸福と苦難の入れ替わり:
- 「成功と失敗は表裏一体だ。人間万事塞翁が馬、幸福と苦難は入れ替わることもある。」
間違った使い方:
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失敗を受け入れない言い訳:
- 「計画が失敗しても大丈夫。人間万事塞翁が馬だから、何が起こってもしょうがない。」
- この表現では、自己責任や改善の余地がないような態度を表しており、誤った理解です。
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冷淡な態度を正当化:
- 「他人の苦労や喜びには無関心だ。人間万事塞翁が馬、どうでもいいことだ。」
- この表現では、他人の感情や出来事に対する冷淡な態度を正当化しており、誤った解釈です。
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あまりに楽観的な見方:
- 「何があっても大丈夫、人間万事塞翁が馬だからすべてうまくいくでしょう。」
- この表現では、あまりに楽観的な見方であり、現実的な考慮が不足しています。